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420年前の徳川家康の保身が、日本をマネー弱国にしている説

家康は、260年も続く平和な世を作ることに成功しました。

しかし、どんなことにも表があれば、裏があるはずです。

これと、日本人の「金融リテラシーの低さ」は直結していて、
日本人ビジネスマンを「ある音程だけ音痴」にせしめ、
現在の長引く停滞感の原因になっているのではないか、とさえ考えてます。

M&Aでセルサイドが間違った判断をしやすく、
業者都合の理屈に誘導されやすいのも、
根っこはココにありそうだと。

「士農工商」の「士」は武士ですね。
武士は、家康の首、徳川政権転覆を狙うインセンティブがあり、能力もあります。
「これはマズイ。先輩のようになりたくない」と家康は考えたはずです。

ライバルの武士に戦をさせないためにはどうするか。
自分が死んだ後、息子や孫が殺されないためにどうするべきか。

簡単に思いつくのは先輩がやった刀狩りです。
武器を持ってたら処罰すればよい。
でも、隠されたら分からないはずです。
刀狩り機能を維持する費用も莫大でしょう。

家康の作戦は巧妙でした。

家康の首を狙うレベルの戦をするには、
兵糧や武器・鎧など、とにかくお金がかかったはずです。
武士にお金が流れにくいようにすれば、
戦をする能力を間接的に、しかし完璧にはく奪できるわけです。

「参勤交代」:強制的な大金の浪費
「武士道」:武士の心構えとして、清貧を上流とする考え
あたりは、ライバル大名弱体化策として活用された疑いが濃厚です。

「士農工商」で武士がトップ扱いなのはガス抜き目的でしょう。
武士は、お金=領地内の農産物の多くを政府に奪われました。
平和な世で最強になるのは商人に決まってますから、
実質的に最強となる商人の3つ上の位に位置付けて、
窮鼠になるのを防ぐ目的があったのではないでしょうか。
大商人との関係強化も図り、
ライバル大名を借金漬けにして弱体化させる策も諮ったはずです。

さて、
ここで着目してほしいのが、
「お金を卑しいものと決めつける思想」の当初目的は、
徳川家の保身目的だったのでしょうが、
必要以上に成功、普及し、超長期間持続する宗教的位置づけに上り詰めた可能性が濃厚という点です。

お金をたくさん稼ぐ人を、羨みつつ、妬み、足を引っ張ろうとするのは、
日本人の特性の1つです。

M&Aで会社を売る人にとって、
「高い価格で会社を売ると従業員に負担をかける」とか、
「高い価格で会社を売るのは守銭奴」とか、
「高い価格で会社を売ると非友好的」とか、
なんとなく、日本人の脳には、スムーズに入ってくるフレーズです。
これを真っ向から否定するのは勇気が必要です。

海外では、欧米、アジアどこでも、
リスクをとって頑張って、結果を出した人が、
平均的な人よりも圧倒的に報われるのは当たり前なので、
スポーツマンが高額報酬を得ているのとまったく同じで、
賞賛されることはあっても、足を引っ張られることはありません。

会社が、従業員家族の一生を面倒見る時代は終わりました。
大企業に入ったら安泰と考えている人がさすがに1人もいないのと同じです。
学生の第一志望が公務員なのは、民間企業の安定性への懐疑心です。
弁護士も会計士も、資格を取った後、営業能力1つで生死が分かれる時代です。

従業員に与えるべきは、
これからの激変時代を生き抜くためのサバイバル力を鍛えぬくチャンスであって、
今まで通り同じ作業をこなすだけで、逓増型月給を維持できるぬるま湯ではありません。

自分と同様に、リスクを負い、創意工夫をして、
自分の会社をもっとよい会社に育成してくれる相手に売りたいはずです。

適正価格未満の価格で成立した取引は、歪んだ取引です。
歪みは、誰かの損になり、誰かの得になりますね。
得をするのは誰でしょうか?

適正は歪みよりも正しい。
適正を引き上げることは、もっと正しい。
と思います。


東京都港区西新橋3-2-2植竹ビル7階
シェルパ・キャピタル・アドバイザリー株式会社
代表取締役 稲村光威

<公式HP>
https://www.sherpa-capital-advisory.com/

<会社を高く売るためのM&A準備マニュアル>
https://www.ma-success-manual.com/

<会社売却成功ノート>
http://ma-success-note.com/


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ユニークな会社を高く売る | 業界初のセルサイド特化型FAのSCA 代表の稲村です。 簡単に自己紹介をさせていただきますと、 略歴: ■マクロ、国内外の財務分析等(大手国内生保) ※大所高所、長期的視点からモノを見る習慣をつけさせていただく ■企業価値評価、DD等(ビッグ4会計事務所) ※M&Aバイサイドの視点を学ばせていただく ■片手FA全般(独立系M&Aハウス、投資銀行) ※巨大企業~中小企業まで、海外企業~投資ファンドまで、多様な業種を経験 ■稲村公認会計士事務所開業 ■事業会社を創業(オーナーとして) ■SCA設立 ※セルサイド特化型FA | 企業価値向上コンサル | 未来志向M&A という経歴です。 「三つ子の魂百まで」と言いますが、 「ビジネスマンとしての魂」も最初の入社後の3-5年迄で 機会や困難に対峙する姿勢の大枠が出来上がると思います。 ビジネスマン・インストールの時代と言えるでしょう。 社会人デビュー直前、 学生時代に打ち込んだのは、ボクシングで、 体育会に所属してました。 ちなみに、ガチンコで殴り合った最強の相手は、 スーパーウェルター級(70kgくらい、村田のミドルの1つ下)の 現役WBA王者だった選手です。 2Rで6発のクリーンヒットをお見舞いするに止まり、 ポキポキと肋骨を2本折っていただきましたが。 米トップランク社に「アメリカで統一戦を組んでくれ」とお願いする役を 彼のジムの会長さんから、 当時クロスボーダーに力を入れるM&Aブティックハウスの M&Aバンカーだった私が仰せつかったのが契機です。 周囲から無理と言われる挑戦が好きなのかもしれません。 肋骨折られましたので、 2ヶ月ほど、くしゃみをすると激痛が走ったのは今でも最高の思い出です。 タイプとしては、カウンターパンチャーというタイプです。 とにかくガムシャラに前に出て手を出し続ける戦い方(インファイター) 距離を置きポイントを集めていく戦い方(アウトボクサー) の中間というか、いいとこどりをする戦い方です。 「打たれずに勝つ、しかも一発で倒して勝つ」という一番効率の良い戦い方ですが、 もっとも「準備」が大変な戦い方でもあります。

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